支援学校(知的)小学部で働いて仲良くしてくれていた先輩の先生に、聞かれました。
仕事納めの日でした。
「この一年、何を学びましたか?」
と聞かれ、
「たとえ、子どものことが最後までよくわからなかったとしても、大変そうだな、逃げたいなと思って距離をとるのではなく、めげずに関わって、信頼関係を築くことだと思います」
と答えました。
仮に、2次障害の児童がいたとします。
本には、自閉症スペクトラム障害の2次障害で、反抗的な気持ちが高まっていて学校に不適応になることがあると書かれていたりすることがあります。
実際に、二次障害かな? というお子さんがいたとして、反抗的かどうかなんてわたしにはわかりません。反抗しているようにはとても見えないからです。
はじめは、わたしの指示など一切受け付けませんでした。靴を履いて昇降口に上がってくることもなければ、服を着替えて荷物を片づけることもありませんでした。しかし、毎日毎日めげずにその子とかかわっていくにつれて、だんだんと、信頼関係が芽生えてきて、最期にはちょっとだけわたしの指示を受け入れてくれるようになりました。
「あなた、もしかして、自分のこと、いなくなったほうがいいとか思ってないでしょうね!? 先生はそんな風に思わせる気なんてないからね!」
「あなたにとって、一人でも、好きだと思える先生とか、友達とかできたら、きっと、学校はたのしいところになっていくはずなんだけどな」
そんな言葉がけを、時折していました。
ほとんど、気持ちを表に出すことがない子どもでしたので、どうして、なにもやろうとしないのかわからなかったのですが。それがだんだん変わっていったときに、うれしいなと思いました。